2017 May 25 Y町

長く人が住んでいた家のなかには、
たくさんの記憶が薄い膜の様になり、
何層にも重なり合って部屋の中を埋め尽くしている。
足を踏み入れ進む度に膜が揺れ動き、
記憶の微粒子が幽かな匂いとともにが立ち上り、
やがて、
形をとり始め始める。

秋元茂 All rights reserved.