2017 April 28 Y町

家は、
住人が去っても、
そこに住んだ人の気配は残っている。
長い年月を経てきた家であればあるほど、
多くの人の残像が残っていることになる。
しんと静まり返った人気のない部屋が、
窓から差し込む光の角度や、
肌に触れる風の動きが、
残像を生き生きと蘇らせるのか、
家中がざわざわとし始める瞬間がある。

秋元茂 All rights reserved.