2016 July 29 G町

強い陽射しで町が白く燃え上がっている。
いつ梅雨が終わったのかわからないまま夏が来るのではなく、
回り舞台がくるりと回るように鮮やかに夏が出現した。
20代の頃、夏になると仲間といつも式根島に行っていた。
式根島がまだナンパの島などと呼ばれる以前のことだ。
島の子供達が島で一番汚い海辺だという場所もびっくりするくらい澄んでいて、小さなコバルト色の魚が泳いでいた。
水着を持って海に行くこともなくなったが、
夏という季節はいつも心を浮き立たせ、
行動に駆り立てるような気持ちにさせるものがある。

秋元茂 All rights reserved.