2018 July 20 G街

2018 July 20 G街

2018 July 20 G街

時計の針に小さな羽が生えて飛び去ってから、
街は、
少女一人になった。
少女は、
同じ軌跡をえがいて音もなく跳ね返ってくる
テニスボールを永遠に打ち返している。
割れたガラスに映るバスは無人のまま動かない。
駅へ戻ろうとするとすると、
今来た道が揺らぎ、
陽炎のようになって消えかかっていた。
真夏の正午は人を幻覚に誘う。

2018 June 15 Y街

2018 June 15 Y街

2018 June 15 Y街

夜は見慣れた街を異境に変える。
犬も連れないで辺りを見回しながら、
立ち止まったり同じ道を引き返したりと歩いている私は、
異境から湧き出た不審者の一人となっている。

2018 May 8 T街

2018 May 8 T街

2018 May 8 T街

深い森の中ではない。
玄関を出てから数分の場所だ。
幹線の道路脇だ。
急な崖になっているので開発ができずに昔のままの姿で残っている。
あたりは瀟洒な家々が立ち並ぶ、
何処にでもある新興住宅の風景だが、
このあたりが、
鬱蒼と巨木の生い茂る山の中だったということを知らせてくれる。

2018 April 23 K街

2018 April 23 K街

2018 April 23 K街

どこを歩いても工事中のビルや、
取り壊され更地になった場所に出会う。
近未来の風景が次々と生まれ、
時代を語るビルは次々と消えて行った。
スクラッチタイルを張り巡らした、
手動式のエレベータのあるビルのオーナーは、
どうやらこのビルを残すことを決意したようだ。

秋元茂 All rights reserved.