気がつくと空が高くなっている。気がつくと夕暮れが早くなっている。いつまでも真夏のような暑さが続いていたので、目の前に秋が来ているのに気がつくのが遅くなっていた。森の中を歩くとヒヤリとした冷気が体を包み、確実に季節の訪れを伝えている。夏の終わりはいつも寂しい。照りつける太陽が、いつも漲る生命を感じさせるからなのだろうか。人類が手にした人工の太陽は死と恐怖しか与えず、いまだにそれを手なずける事が出来ないままだ。
秋元茂 All rights reserved.